破骨細胞でのDOCK5の役割

PMID: 21542010
The Rac1 Exchange Factor Dock5 Is Essential for Bone Resorption by Osteoclasts
Vives V, Laurin M, Cres G, Larrousse P, Morichaud Z, Noel D, Côté JF, Blangy A.
J Bone Miner Res. 2011 May;26(5):1099-110

フランスのラボから。Jean-FrancoisのDOCK5 KOマウスも使っている。

このグループは元々破骨細胞に分化させたときに発現が上昇する分子としてDOCK5を同定してきて(PMID: 16939397)、その続き。
印象的なのはFig2Bで、DOCK5がないと、Sealing Zone (骨吸収するところ。Actinで見ている)が形成できなくなる。それとコンパチで骨梁が増える(図6)。
もう一つ重要なのは、DOCK5-Racの阻害剤をスクリーニングで取ってきていること(図5)。N-(3,5-dichlorophenyl)benzenesulfonamide)。Trioには効かないことは見ているが、細胞に使う濃度が50uMとかなり濃い。

DOCK1やDOCK2はRANKL処理によって発現が下がるようなのだが(Vavも)、元々のこれら3つの分子のどれがも優勢なのか?DOCK1KOは死んでしまうので骨梁解析は出来ないのでわからない。また細胞株とマウスとの結果の乖離もあるようだ。
機能的にDOCK-Aファミリーは同じなのか?違うのか?京大・加藤研のデータをみると、DOCK1とDOCK4の機能は異なるようなのだけれど、Crk-Casとの結合がみられることから同じと考えてよいのかな?

今のところDOCK5の論文は13報。疾患でひっかかってきたというのが意外に多い。